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「排水用のワイヤーブラシを買って使ってみよう」と考え中の方へ

ワイヤー清掃に使うワイヤーブラシは色々な言い方があります。これらは同じものです。

  • ワイヤーブラシ
  • ワイヤードレンクリーナー
  • ワイヤードレンブラシ
  • ワイヤーパイプクリーナー
  • 排水用ワイヤーブラシなど

【ドレン=排水】


ここではワイヤーブラシと言うことにします。

ワイヤーブラシには色々な用途がありますので、排水用ワイヤーブラシやワイヤードレンブラシと言ったほうが誤解がないと思います。

ワイヤーブラシを使った作業の違いについては、こちらを参照下さい。

u-need.hatenablog.com

ワイヤーブラシでの作業を自分でやることは、おすすめしません

排水の作業を生業としている私の個人的な考えですが

ワイヤーブラシは、本当にどうしようもないときの手段です

私の自宅の場合、少しでも排水が流れる状態であれば100回中100回、パイプクリーナーなどの薬剤で対処をします

ワイヤーブラシでの作業は、絶対に選択肢に考えません

なぜなら、普通の原因なら、パイプクリーナーで改善できるからです

「完全に詰まって、まったく流れない」という最悪なときに、ワイヤーブラシを使うかどうかを選択肢に考えます

私の経験から個人的にいうと

  • 一般の人がワイヤー清掃を行った場合、運が良ければ、一時的に改善される
  • 一般の人が入手する、1万円以下の安いワイヤーブラシは、強度が弱くて、作業性が非常に悪い
  • 安いワイヤーブラシは、ワイヤーの強度が弱すぎて、排水パイプ内で簡単にワイヤーが絡まる
  • 安いワイヤーブラシは、排水パイプの構造が複雑な場合、奥の方まで送り込めない
  • ワイヤーが弱いため、ワイヤーが簡単に折れ曲がって、絡まってしまい、数十センチや1メートルくらいしか送り込めないことがある
  • 安いワイヤーブラシは、3から5メートル程度の長さしかなく、詰まりの原因のある箇所まで届かないことがある
  • 不調の原因によっては、ワイヤー清掃やっても効果が無い場合がある
  • その場合、経験から、別の原因を探ります
  • 頑張って大変な思いして、時間かけて苦労した割りに、効果を感じられない場合もある
  • 早期の再発の可能性が高い
  • しかし、数ヶ月不調が起こらない場合も多い
  • プロがプロ用ワイヤーブラシを使っても、早期の再発の可能性がある

■ワイヤーブラシの作業を自分で行うことをすすめない理由

排水パイプは基本的にワイヤーブラシで清掃できるように工事(施工)されていません。

なので、ワイヤーブラシが届かない場所や、ワイヤーブラシが届いていても汚れを除去できていない場所がでてきます。除去できなかった汚れの箇所に、汚れは蓄積しやすく、結局、再び流れが悪くなるのです。


プロ用のワイヤーブラシを使っても、汚れを除去するのは、かなり大変です。

プロが、プロ用のワイヤーブラシをつかっても、汚れを除去できない箇所はそれなりに残ります。

あと、家庭用のワイヤーブラシが、詰まっているところまで届かなかったら無駄手間に終わります。大変な作業をしたのに結局、流れは改善しないということがあります。

※注意※ 家庭用のワイヤーブラシを使ったことによって、完全に詰まってしまう可能性があります


詰まっている原因の箇所、流れ道が狭くなっている箇所まで、家庭用のワイヤーブラシが届かなかった場合など


不調の原因の箇所(流れ道が狭い箇所)、詰まっている原因の箇所、の手前の排水パイプ内の汚れは、ワイヤーブラシを突っ込んだことによって削り取られます。

その削り取られた汚れの塊が、不調の原因の箇所(流れ道が狭い箇所)に流れていき、流れ道をふさいでしまう可能性があります。

ワイヤーブラシを引き抜いて、水を流してみれば簡単に分かります

ワイヤーブラシを突っ込む前よりも、流れが悪くなったらなら、

ワイヤーブラシを突っ込んだことによって、削り取られた汚れの塊が流れていき、流れ道が狭くなっているところに詰まってしまい、症状がより悪くなった

ということです。

あと、ワイヤーブラシの後片付けが大変、と私は思います。

ワイヤーブラシのワイヤーは、しなり・バネが強いので、ワイヤーを回収しようとしているとき、洗っているときに、排水が飛び散ったりします。

また、長いワイヤーを洗うのは大変です。
業務用ワイヤーブラシを使う場合、10m、20mと伸ばしたワイヤーの洗浄がかなり大変です。

■流れの不調・排水つまりの原因は何か

可能性があるものは基本的に

  1. 排水パイプの内側の汚れがひどい
  2. 大きな汚れや食べかすが引っかかった

2の大きな食べカスが流れていった場合、ワイヤーブラシは非常に有効です。

大きな食べかすが詰まるということは、排水パイプの内側に汚れが多量に固まっていて、排水の流れ道が細い状態になっている。

そのため、食べカスが流れる程度で詰まってしまうのです。

つまり、根本の原因は、排水パイプ内の汚れです。

ワイヤーブラシを通すことで、食べカスが砕けるので、排水は流れるように改善されます。

しかし、その食べカスが詰まっている排水パイプの箇所まで、何メートルあるかは分かりません。3~5メートルの家庭用ワイヤーブラシを突っ込んでも、奥の方の汚れのかたまりに届かなくて、無駄手間に終わることがあります。

■ワイヤー作業に使用するワイヤーブラシについて

ワイヤーブラシについて、家庭向けのもの、業務用のもの、を説明します。

  • ホームセンターなどで販売されている家庭向けの手動タイプのワイヤーブラシ
  • 業者が使用する業務用の手動タイプのワイヤーブラシ
  • 業者が使用する業務用の電動タイプのワイヤーブラシ

があります。

ホームセンターに業務用も置いてある場合もあります。数万から十数万円のものは、基本的に業務用です。

1万円以下の安いものは、家庭向けのワイヤーブラシです。


下記は、家庭向けワイヤーブラシの一例です。下記のほかにも様々な形、方式のものがあります。

グリップの鉄パイプの蝶ビスを締めて、ワイヤーをロックして、グリップを両手でグルグルとまわしながら清掃していきます。

まわしながら排水パイプの奥の方へと、ワイヤーブラシの先端を差し込んでいきます。

こちらのワイヤーブラシは、ワイヤーを回しやすいグリップではありません。

主に、ワイヤーを前後させて使用するタイプ

蝶ネジを締めて、ワイヤーをロックして、ワイヤーを前後させてガリガリと清掃しながら、ワイヤーを奥へと送り込んでいきます。

複雑な配管や、曲がりくねっている配管の場合、ワイヤーをねじりながら差し込んでいかないと、奥へ差し込むのは非常に困難です。

こちらは、家庭向けワイヤーブラシの先端(ブラシ部分)の様子。

ものによって異なりますが業務用と比べると、先端のブラシ部分は細く、柔らかい。


※業務用のものは、先端のブラシを色々なタイプに交換できます。業務用と比べて、家庭向けはワイヤー自体がかなり細く、かなり柔らかい。

家庭向けワイヤーブラシの短所と長所について

※短所を述べる前に断っておきます。
家庭向けワイヤーブラシが使い物にならないということでは断じてございません。

業者が、別件で現場にいて、緊急で対処するときに、業務用ワイヤーブラシが手元に無く、家庭向けワイヤーブラシが置いてあった場合、家庭向けワイヤーブラシを使って対処を試みるでしょう。

あまり曲がりくねっていない一般住宅の排水などでは、効果的に使える場合が多いと思います。

また、一般住宅の排水パイプの配管は、ホテルや飲食施設など比べ短いので、時間や効率を考えなければ、家庭向けワイヤーブラシも有用です。

家庭向けワイヤーブラシの短所

※個人的な感想です

業者の立場(使いやすさ・作業効率性)からの感想ですので、できるだけ時間をかけず、確実に作業を行う上で不都合な点を挙げています。

・ワイヤーが短い

家庭向けは3、5メートルで短い。

家庭向けの10mなど長いものもあるが、細くて柔らかいワイヤーが、ただ長いだけで、取り扱い・取り回し性が非常に悪い。

・ワイヤーが柔らかいので、排水パイプの奥へ差し込みにくい

・ワイヤーが柔らかいので、先端のブラシ部分に力を伝えにくい

・ワイヤーが柔らかいので、絡まりやすい

ワイヤーをドンドンねじりを加えていくと、すぐにからまってしまう。ワイヤーに、ねじれを加えるときにクネクネして、非常にねじりにくい。

・ワイヤーへのねじれを加えにくい

家庭向けのワイヤーブラシは、ワイヤーを強くねじれる構造になってない。

排水パイプが曲がりくねっている場合、業者はねじりをドンドン加えて、ブラシ先端をグルグル回転させながら、奥へ差し込みすすめていきます。

ねじれを加えて排水パイプに差し込んでいかないと、奥へ進んでいかないことが多いので、ねじれを加えにくい家庭向けのワイヤーブラシは非常に作業性が悪い。

また、奥へ行けば行くほど、パイプの曲がっている部分とワイヤーとの摩擦がドンドン大きくなり、強くねじりながらでないと奥へは進みません。

・先端のブラシ(ヘッド部分)が細い(または、小さい)ので、汚れを削りにくい

ワイヤーブラシの先端(バネのような部分)が業務用のものより細いので、削り取る能力が弱い(※業務用でも細い先端のものもあり、太さや形状が色々あります)。

適度に太いものの方が、ガリガリと多く削ることができるので効率がいいです。

業者は2,3種類の太さや形状の先端部品(ヘッド部)を持っていると、ホテルの排水配管から一般住宅の排水まで、効率がいい適したものを選択できます。

配管によっては、先端のヘッド部を取り外して、ワイヤーのみで送り込んだりします。

・先端のブラシがやわらかいので、汚れを削りにくい

業務用でも同じようなやわらかさのものもありますが、少し固めの方がワイヤーからの力を先端のブラシに伝えやすく、ガリガリと削りやすい。

また、やわらかいと先端がクネクネと汚れの上を滑っている場合や、パイプの曲がり角に突っかかっているのかどうかなど、感触が分かりにくい。

家庭向けワイヤーブラシの長所

・安い

業務用のものよりはるかに安いです。

・収納しやすい 邪魔になりにくい

家庭向けのものは、隙間にでも入れておけば収納できます。業務用のものはかなり大きいものなので収納に困ります。

・軽い

家庭向けのものは、ワイヤーが短く、ワイヤーとハンドルのみの製品のため、非常に軽い。業務用のものは、ガッシリとした装置なので重い。業務用の電動タイプはさらに重い。また、長いワイヤーが収まっているので、なお重い。

・後片付け、洗うのが簡単

ワイヤーが短いので、洗うのが簡単です。業務用のものは長く、太く、硬いので洗うのが大変。

業務用のワイヤーブラシについて

業務用のワイヤーブラシには、色々な方式、形状のものがあります 。

業務用のワイヤーブラシは、何となくですが「ドレンクリーナー」と呼ぶことが多い。

これが業務用 手動タイプのワイヤーブラシです。

ホテルやレストランなど、業務用厨房など、排水パイプが長いときには、長くワイヤーを送り込んでいかなければなりません。

ドラム(ワイヤーが収まっている樽のような部分)を回す役と、ワイヤーを送り込んでいく役といった形で2人で分担して行うと効率がいいです。

一人でも可能ですが、技術と手間がかかります。一人で行う場合は、電動式のものが効率的です。

ワイヤーをドラムからある程度引き出して、蝶ネジを締めてワイヤーを固定します。

それからドラムのハンドルを回して、ワイヤーにねじりを加え続けながら、ワイヤーの先端を排水パイプにドンドン送り込んでいきます。

ドラムにくっついている黒い玉のようなものがハンドルです。このハンドルを持って、福引抽選のガラガラのように回します。

ある程度ワイヤーを送り込めたら、蝶ねじを緩めて、ドラムからワイヤーを引き出します。それから、ふたたび蝶ねじを締めて、ワイヤーを固定し、ドラムを回しながら、ワイヤーを送り込んでいきます。

この作業を何度も繰り返して、排水パイプの奥の方へ、できるだけワイヤーを送り込んでいきます。

ワイヤーは、家庭向けのワイヤーブラシよりも太く、ワイヤーの針金自体も太いので、硬く、しっかりしています。

写真のものは、たまたま家庭向けのものと形が似ている先端ブラシですが、先端が太く広がっているものなど色々あります。

写真の先端は、家庭向けのものより少々太く・少々硬いものでした。

業務用ワイヤーブラシはどう違うのか

家庭向けの短所と同じような内容ですが、業務用ワイヤーブラシとの大きな違いについて

①ワイヤーが太くて非常に強靱
②ワイヤーが長い
③ワイヤーの先端のブラシが色々ある

①ワイヤーが太くて非常に強靱

ワイヤーが太くて固いと、ワイヤーを前後させて汚れを除去するときに、力を入れられます。

排水パイプが曲がっている箇所は、ワイヤーの先端(ヘッド部)が進んでいきにくく、その箇所を通すときに、ワイヤーが丈夫なので、強く押し込むことができます。

業務用のワイヤーは、太くて硬いため、排水パイプ内で、折れ曲がりにくい

ワイヤーが太くて硬いため、先端のヘッド部で、汚れをガリガリと削るときに、力がワイヤーの先端まで伝わります。

業務用は、特殊なワイヤーもあります

金属製ワイヤーの芯の部分にプラスチックが使われていて、ワイヤーの中に細かいゴミが入りにくくなっているなど。

私は、このプラスチックが芯に使われている特殊なワイヤーの製品を使っています。

ワイヤーを洗浄するときの手間が全然違います。

一方、家庭向けのものはワイヤーがやわらかく細いので、排水パイプの曲がっている箇所に、ワイヤーの先端が突っかかってしまったときに強く押し込むと、排水パイプの中でワイヤーが簡単に折れ曲がってしまいます。

そのため、家庭向けのワイヤーブラシでは、それ以上、奥へにワイヤーを押し込めなります。途中でワイヤーがどうしても折れ曲がってしまうので、流れ道が狭くなっている不調の原因の箇所までワイヤーが到達できないことがあります。


また、家庭向けのワイヤーブラシは、ヘッド部で汚れをガリガリと削るときに、力がワイヤーの先端(ブラシ)まで伝わりにくいです。

先端に力が伝わるように、ワイヤーに力を込めると簡単に折れ曲がってしまうので、力を入れようにも入れられず、業務用のワイヤーと比べると、家庭向けは非常に作業性が悪いです

②ワイヤーが長い

ワイヤーが長いと、排水パイプの奥の方まで届きます。
業務用のものは数十メートルあります。


家庭用は3から5メートル程度、長くても10メートル程度なので、それより先につまりの箇所があれば、届かず無駄手間に終わってしまいます。

一般住宅の場合は、排水パイプの配管の長さがあまり長くないので、5メートル程度でも十分です。

しかし、たいていの場合、家庭向けのワイヤーブラシは5メートルも送り込めません。

ワイヤーが細く、柔らかいため、送り込んでいる途中の配管の曲がったところで、ワイヤーが折れ曲がって、排水パイプの中でワイヤーが絡まってしまうのです。

変な配管・複雑に曲げてある配管の場合、家庭向けのワイヤーブラシでは、1、2メートルほどで、どうしてもワイヤーが折れ曲がってしまい、それ以上、送り込めなくなることもあります。

ホテル・旅館など宿泊施設や飲食施設の場合、業務用のワイヤーブラシを使います

排水パイプの配管が長いため、15メートル、20メートルほどのワイヤーが収納されている、業務用のワイヤーブラシを使います。

配管が長くなればなるほど、業務用の太くて、しっかりとしたワイヤーでないと、奥へは送り込めません。

配管が長ければ長いほど、配管が曲がっている箇所(継手【つぎて】)の部品が多く使われているため、業務用のしっかりとしたワイヤーでないと、継手の部分を通過するときにワイヤーが折れ曲がってしまうのです。

③ワイヤーの先端のブラシが色々ある

業務用のワイヤーブラシの場合、先端のヘッド部(ブラシの部分)は、交換可能です。 業務用ワイヤーブラシのヘッドは、いろいろな形状・種類があります。といっても、標準装備のヘッドでほとんどの場合に対処できます。

家庭向けのワイヤーブラシより、太くて、比較にならないほど丈夫です。

太くて丈夫なため、力を入れてガリガリと汚れを削り取りやすい。

家庭向けのワイヤーブラシのヘッド部は、柔らかいので、固い汚れを削りにくい。

排水パイプの太さや施工状況によっては、より太いヘッドをつかって、より効率的に汚れを削り取ります。

複雑な配管の場合など、先端のブラシ部を取り外して、ワイヤーだけを送り込んでいく場合もあります。



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