水酸化ナトリウムが入っている液体パイプクリーナーはどれか判断する方法




商品の成分のところに「水酸化ナトリウム」と書かれています

この水酸化ナトリウムは、一般的には「苛性ソーダ」とも呼ばれます。

水酸化ナトリウム(すいさんかなとりうむ)【別名:苛性ソーダ(かせいそーだ)】

市販されている液体パイプクリーナーには、水酸化ナトリウムと一緒に、次亜塩素酸ナトリウム【別名:次亜塩素酸塩(じあえんそさんえん)】が入っています。

塩素のにおい、漂白剤のにおいが、次亜塩素酸ナトリウムです。


【写真1】有名な黄色いボトルの家庭向け液体パイプクリーナーの成分表示

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【写真2】有名なオレンジ色ボトルの家庭向け液体パイプクリーナーの成分表示

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写真のとおり、入っている成分は同じです。
オレンジ色のほうが水酸化ナトリウムの濃度が低いです。

成分の表示は、左から、入っている量が多い順番で書かれています。

【写真2】の液体パイプクリーナーは、一番左に、次亜塩素酸ナトリウムと書かれています。次亜塩素酸ナトリウムが一番多く入っています。

水酸化ナトリウムが入っている理由

簡単に言うと、「油」を分解するため

水酸化ナトリウムは、油を分解することに優れています。

排水パイプに付着、たまった油汚れを分解するために入っています。

また、たんぱく質を分解する能力が高いです。

食べかす、人の垢など、タンパク質汚れを分解するために入っています。

次亜塩素酸ナトリウムが入っている理由

簡単に言うと、「髪の毛」を分解するため

次亜塩素酸ナトリウムは、髪の毛を分解するのに優れています。

塩素系漂白剤の主な成分は、次亜塩素酸ナトリウムです。

塩素系漂白剤の中に、髪の毛を入れると、数秒から数分で解けてしまいます。

この作用を利用して、排水パイプにからまった髪の毛などを分解しています。

界面活性剤が入っている理由

界面活性剤は様々な作用・用途がありますが、パイプクリーナーでは乳化という作用を利用しています。乳化という作用で油と水が混ざり合います。つまり、汚れ(油)と水が混ざり合って、水や排水と一緒に流れていくことで汚れを除去できます。

台所用漂白剤と家庭向けパイプクリーナーは、ほとんど成分が同じです

【写真3】台所用の塩素系漂白剤の成分表記の写真

https://u-need.ocnk.net/data/u-need/image/R0013425-2.jpg


※衣類用漂白剤には酸素系漂白剤というものもありますが、ここでは説明を省かせていただきます。塩素系漂白剤とは、まったく別のものです。

家庭向け液体パイプクリーナーと、キッチンハイターなど台所用漂白剤の成分は、ほとんど同じです。

しかし、成分の濃度が異なります

液体パイプクリーナーには、台所用漂白剤よりも多く、水酸化ナトリウムが入っています。

家庭向け液体パイプクリーナーの方が次亜塩素酸ナトリウムの濃度が高いものが多いです。

成分表記は左から順に多く含まれていますので、次亜塩素酸ナトリウムが一番多く、水酸化ナトリウムが一番少なく含まれています。

※市販の塩素系漂白剤には水酸化ナトリウムが入っているものと入っていないものがあります。

家庭向け液体パイプクリーナーと、台所用漂白剤の違い

  • とろみがあるかどうか
  • 水酸化ナトリウムが多いか

この2点です


液体パイプクリーナーは、トロトロしており、水酸化ナトリウムが多く入っています。

排水パイプの途中にたまっている髪の毛などの汚れに、薬液が付着している時間が長いほど、髪の毛を分解できます。

薬液にとろみがあることで、髪の毛などに付着している時間が長くなり、分解する効果が高まります。

一方、台所用漂白剤はサラサラとした液体

サラサラとしているので、排水口に流した場合、汚れにくっついている時間が短い。

スーッと汚れの表面を流れていってしまうので、汚れを分解しにくいです。

また、液体パイプクリーナーと比べて、水酸化ナトリウムの濃度がとても低いので、油汚れを分解する能力が低い。

台所用漂白剤は、油汚れを除去するためのパイプクリーナーとして、役に立ちません。

キッチンハイターなど台所用漂白剤に水酸化ナトリウムが少しだけ入っている理由

下記は、蛇足的な余談です。


漂白剤の溶液が酸性気味になると、次亜塩素酸ナトリウムが分解されて変質してしまう。それを防ぐため、水酸化ナトリウムが微量でも添加してあるようです。

溶液に、少しでも水酸化ナトリウムが添加してあると、液体はアルカリ性になります。

専門的な言い方をすると、家庭向け液体パイプクリーナーは「普通物」

下記も、蛇足的な余談です。

水酸化ナトリウム濃度が5%以下の品物を専門的に言うと『普通物(ふつうぶつ)』と分類されます。5%より高い濃度の品物は『劇物(げきぶつ)』と分類されます。

家庭向け液体パイプクリーナーは水酸化ナトリウム含有率が5%以下なので、劇物ではありません。普通物という扱いになるので、スーパーやドラッグストアなどで販売されています。

一方、パイパスは水酸化ナトリウム濃度が95%と非常に高濃度ですので、劇物という扱いになりますので、スーパーやドラッグストアなどでは販売できません。

劇物は、保健所で認められた毒物劇物一般販売業者でないと販売できません。ユーニードは、劇物毒物取扱責任者(国家資格)が責任者となっている、劇物毒物一般販売業者です。